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シロエ・・・Opéra de Lausanne・・2016/11/11 [オペラ]

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Siroe Max Emanuel Cencic
Laodice Julia Lezhneva
Emira Roxana Constantinescu
Medarse Mary-Ellen Nesi
Cosroe Juan Sancho
Arasse Dilyara Idrisova

Armonia Atenea
Direction musicale et clavecin George Petrou
Mise en espace Max Emanuel Cencic
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 11月の旅行の最大の目的はこの公演。ユリアちゃんとディリヤラちゃん!

 以前アン・デア・ウィーンでコンサート形式で聴いて以来、同じメンバーで演出つきの公演があったら聞き逃してなるものかと意を固めてました。アラッセ役がディリヤラちゃんに変わりましたが、ディリヤラちゃんもハレの『アレッサンドロ』で聴いて以来、また聴く機会があればと思っていたので願ったりかなったり。

 ユリアちゃんもディリヤラちゃんも1989年生まれなのでまだ20代。
2人共小柄なので、衣装を身に着けた姿は中学生の学芸会かと思ってしまうような可愛らしさですが、2人共歌うと凄い!

 特にユリアちゃんはその声の豊潤さ、歌唱技術の見事さは既に旬に入ったと言ってもよく、その可能性はバルトリ以上という話も耳にしましたが、それも過言ではないと思えるほど。シロエを窮地に追いやる諸悪の根源であるラオディーチェ役ですが、可愛い外見にもかかわらず、豊潤な声はふてぶてしい熟女を彷彿とさせることもありました。

 ディリヤラちゃんは声は可憐な印象。今回は忠実な家臣とうことでヒゲをつけての男性の役とあって可愛すぎる声とのギャップが不思議な面白さになってましたが、心優しい忠臣という印象で今回も見事なアジリタ三昧。それほど歌う機会の多くない役だったのが残念に思えたくらいでした。

 また、古楽を聴くようになってから、おそらく一番聴く機会が多いのがテノールのサンチョ。剛柔ともに熟すといった感があって、どの役でも安定して好演しているので、ワーグナーにおけるユンのように何故かいつもいるという貴重な存在かもしれません。

 演出はタイトルロールのツェンチッチによるものですが、オケが舞台奥で演奏し、紗幕をはさみ、その前で衣装を身に着けた出演者が演技をしながら歌うというスタイル。
背景に映像が映し出され、セットは椅子とテーブルと敷物という簡素なものですが、衣装を含めて雰囲気のよいものでした。

 演奏のほうは大雑把ではありましたが、歌手の好演で十分。

 コンサート形式では見事なアジリタ三昧歌合戦という印象でしたが、演出があることによって歌手の人たちもより感情をこめて歌い、物語の信憑性が高い見応えもある公演になってました。

 この公演は2017年5月にヴィースバーデンで再演の予定です。

フィガロの結婚・・・Teatro alla Scala・・・2016/11/10 [オペラ]

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Conductor Franz Welser-Möst
Staging Frederic Wake-Walker
Il Conte Simon Keenlyside
La Contessa Diana Damrau
Figaro Markus Werba
Susanna    Golda Schultz
Cherubino Mrianne Crebassa
Bartolo/Antonio Andrea Concetti
Don Basilio/ Don Curzio Kresimir Spicer
Barbarina Theresa Zisser
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 フィガロといえば、数年前にここスカラでカビが生えそうな演出で鑑賞したのでした。その時のことはさておいて・・・・11月の旅行はこの公演が目的というわけではなく、オマケといえばオマケなのですが、新演出ということ、久しぶりにダムラウとキーンリーサイドを聴けるということ、そして何よりもクレバッサを演出つきの公演で聴けるのが楽しみで毎日移動の日程になってしまってもスカラまで来たのでした。

 席はお金持ち入り口から入れる最上階、つまり4階席サイド。
 オケの音が密度が濃く、ウィーンの音に近いと感じてしまったのはメスト指揮ゆえなのか?今までここでモーツァルトを聴くと軽やかな印象でしたが、今回は軽やかさは希薄でメリハリのある印象になってました。

 演出は劇中劇で舞台隅に台本を追っている人が座り、出演者がレチを忘れるとツッコミを入れるという場面があったり、舞台セットを運ぶのは髪を高く結い上げ、ハイヒールと黒い衣装を身に着けたモデルさんのような黒子で、時々茶々を入れるのもオチャメな演出でした。内容的には何か伝えたいという意図は特に感じられず、ただウケを狙っているようにしか思えなかったのは[猫]の能力不足かもしれませんが、コメディは楽しめればそれでよい気はします。

 長期休養を取っていたキーンリーサイドはすっかり復調といったところ。相変わらずキャラ作りが上手で、真面目にマヌケな伯爵に、思わず口元がほころんでました。
 ダムラウは何を歌ってもダムラウという感があるのは否めないのですが、伯爵夫人という役はそのままの良さで通せるハマリ役でした。アリアでメストはダムラウにお任せでしたが、途中で間を取ってじっくり歌ったときがあって、終わったと勘違いしてしまった観客が拍手をしてしまい、周囲の観客からシッと注意され、これにはメストも首を振って残念がるといった場面もありました。
 今までコンサート形式で聴いたことのなかったクレバッサは演出上、大袈裟なくらい落ち着きなくコミカルに動いてましたが、それが凄く可愛らしく素敵で舞台センスもよい感じ。
 フィガロとスザンナのカップルはそれほど特徴的な役柄を与えられてなく、決して悪くないのですが普通な印象にとどまってしまった感がありましたが、新制作ではそうそう勝手に動いたり歌ったりするわけにもいきません。

 理想的なキャストで重唱も美しく、オペラを聴き始めたころだったら満足度が高かったあろう公演ですが、新演出のインパクトはそこそこ、新鮮だったのはクレバッサの舞台センスくらいでほとんど想定内といった感は否めず、オマケはオマケの公演だったかなー。もちろん贅沢なオマケではありました。



カルメル派修道女の会話・・・Staatstheater Mainz・・・2016/11/9 [オペラ]

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Musikalische Leitung: Hermann Bäumer
Inszenierung: Elisabeth Stöppler

Marquis de la Force: Peter Felix Bauer
Blanche de la Force: Vida Mikneviciute
Chevalier de la Force: Jungyun Kim
Madame de Croissy, Priorin: Gudrun Pelker
Madame Lidoine, neue Priorin: Nadja Stefanoff
Mutter Marie, Subpriorin: Linda Sommerhage
Schwester Constance, Novizin: Dorin Rahardja
Mutter Jeanne: Katja Ladentin
Schwester Mathilde: Anke Steffens
Beichtvater des Karmel: Johannes Mayer
Erster Kommissar: Scott Ingham
Zweiter Kommissar: Ion Dimieru
Offizier: Georg Lickleder
Stimme des Kerkermeisters: Derrick Ballard
Antoine Thierry: Reiner Weimerich
Monsieur Javelinot, Arzt: Hans-Helge Gerlik

Chor und Extrachor des Staatstheater Mainz
Philharmonisches Staatsorchester Mainz

 日本からの到着日、フランクフルトでは公演なし。しかし、近郊の町でもオペラは観れるのはさすがドイツです。ヴィースバーデン、マインツ、ダルムシュタット、ハイデルベルクなど調べること怠りなく、ダルムシュタットの『青髭公』かここマインツの『カルメル派修道女の会話』と少々迷いましたが、まだ鑑賞したことのない作品を選びました。

 オケピはかなり深く設定してありましたが、小さな劇場とあって、爆演、大声大会でした。

 始めから終わりまでなんと緊張感に満ちた作品でしょうか。ただ演出が難解で、おまけに到着日とあって睡魔に襲われるのを避けることができず、途中ウトウトしはじめると、爆演、大声にビクッとさせられるという状態での鑑賞になってしまいました<(_ _)>

 時代は現代に設定され、コンスタンスは妊婦。幼い王というのは頭部が陶製のお人形で、ブランシュが誤ってそのお人形を落とし、頭部が割れることで王が死ぬという、少々カルトか精神病を感じさせられる内容。
 ギロチンの場面は修道女が全員手をつないで横一列にならんでいるのですが、ギロチンの音と共に一人、また一人と後ろへよろめきながら倒れていくという演出でした。最初はその列の中にブランシュの姿はなく、コンスタンスが産み落とした赤ん坊をだきかかえながら現れ、最後のギロチン音でブランシュも倒れるのかと思いきや・・・・・

 難解中の難解という公演でしたが、プーランクの緊張感に満ちた作品は強く印象に残るもので、また機会があったら鑑賞したいものです。

 何も害を及ぼすことがない人たちが迫害される恐怖に、外の寒さ以上に体の芯が冷えきったような感覚でホテルまで帰ったのでした。