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ローエングリン・・・Semperoper・・・2016/5/29 [オペラ]

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Musikalische Leitung Christian Thielemann
Inszenierung nach Christine Mielitz

Heinrich der Vogler Georg Zeppenfeld
Lohengrin Piotr Beczala
Elsa von Brabant Anna Netrebko
Friedrich von Telramund Tomasz Konieczny
Ortrud Evelyn Herlitzius
Heerrufer des Königs Derek Welton
Erster Edler Tom Martinsen
Zweiter Edler Simeon Esper

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 ネトレプコがエルザを歌うということで話題にならないわけがない公演。
 ぜ~~~~ったいににチケットが手に入るわけないだろうけど、万が一手に入ったら行ってもいいかな?てなイージーな気持ちで発売日に臨んだにもかかわらず、あーーらあら不思議・・・買えてしまった・・・・・ほんじゃまーしゃーない・・・・行ってくるか・・・てな感じ・・・と言ったら、ネトレプコファンに袋叩きに合ってしまうでしょうか?いや、そんな甘いものではなく、多くのワグネリアンにとっても注目の公演。どれだけの人を敵に回すか、想像するだに恐ろしきことかな。

 公演全体の印象は爆演、大声大会。爆演という印象が強くなった一番の理由はコーラスと演奏のバランス。しかし、舞台の広さがバイロイトのように広いわけではないためコーラスの人数がそれほど多くなく、オケピの壁が内側に湾曲しているわけでもないので、どうしても演奏のほうが勝ってしまってコーラスがもたらす高揚感が希薄だったのは致し方ないのかもしれません。また、購入時に席の位置まで選べなかったため、前から6列目の端の方で管が近く、楽器のバランスとして管が強かったことも爆演に感じた原因かもしれません。それでも個人的にワーグナーは爆演が好みであり、ワーグナー歌いたるもの厚いオケを超えて声を響かせる技術は持っていて当たり前。今回は正にこれぞワーグナー!といった充実感でした。今までティーレマンのワーグナーについては音を抑えるのが窮屈な収束感があってイイ感じがしなかったのですが、今回はそんなことを感じることもなく、演出、演技を伴っての長めのパウゼも自然なものでした。ワーグナーデビューの2人が歌うとき、テンポがゆっくりと感じるときがあった一方で、最後の名乗りは意外にアッサリとした印象で、2人が歌いやすいテンポを取ったかもしれないと思いながらも、わざとらしさを感じることはありませんでした。

 ネトレプコについては厚いオケを超えて声を響かせることについてはもともと全く不安は持っておらず、不安があるとするならなんといってもドイツ語であり、これは大多数の人の懸案事項でしょう。これが聴いていて・・・よくなくな~い?!?!ということで休憩時にドイツ人の人に尋ねたところ、何を言っているか分かるし、すごく勉強したことは想像できる。ベチャワもよいとのこと。ピッチが怪しくなったり高音が雄叫び風に聞こえてしまうことが全くなかったわけではありませんが、語るように歌うワーグナーではほとんど気にならず、その豊潤で柔らかい声はおっとりとした可憐なエルザでした。

 ベチャワについては以前リンツのアンサンブルだった上にチューリッヒでも活躍していたのですから、ドイツ語は全く問題なしとのこと。[猫]の願いはただひとつ。どうかイタオペみたいな泣きはいれないでネ、女々しくなるから・・・・ではありましたが、想像していたよりも凛とした騎士で立派でした。ただ3幕エルザとのやり取り以降、泣きが入ったり、歌いまわしがイタオペ風になることが少々あり。さらに、脇を固めていたのは堂々たるワーグナー歌いばかりという中、最後の名乗りでは更なる高揚感を要求されるのがローエングリン役という点で、そこはなかなか厳しいところ。これは個人的に本物のローエングリンばかり聴いてしまったが故の高望みであり、ロールデビューでそこまで要求することはできないのは当然ではあります。結局、ローエングリンというよりも白雪姫か眠りの森の美女に登場する王子様のような印象で、モンサルバートというのはブラバントの隣国であり、その王子が匿っていたゴットフリートを連れてきてくれたかのようなお話に思えたのでした。

 最後にワーグナー歌いたるものどうあるべきかを強烈なインパクトで示したのがヘルリツィウスで、全部持って行ったという感あり。元ゼンパーアンサンブルのヘルリツィウスにとってこの役は朝飯前でしょう。観客の多くは同様に感じたらしく、カーテンコールでは主役2人に勝らずとも劣らず賞賛あり。
 同じく元アンサンブルのツェッペンフェルトとて同様。加えてワーグナーでは実績のあるコニェツィーも伝令役のヴェルトンもよく、脇を固めた実力派揃いのワーグナー歌手と要である指揮のティーレマンによって高品質の公演となったのは衆目の一致するところとは思いますが、そんなプロ中のプロ集団の中、ネトレプコとベチャワの好演はワーグナーデビューとして大成功といって良いのでしょう。

 カビが生えそうな演出も、現在では古き良き時代の面影を残す貴重なものであり、存続意義はありそうです。本場ドイツでロールデビューだったネトレプコにとって、演技にそれほど気を使うことなく歌に集中できる演出は追い風でもあったかもしれません。一方、ベチャワにはスカラのグート演出のような、普通の男にローエングリンの精霊が宿ったといった演出のほうが合うのかもしれません。


 余談ではありますが、ワーグナーに全く興味のないネトレプコファンとベチャワファンも相当数押し寄せているだろうことから、フライングの拍手があるのではないかと懸念してました。一幕終了時はやはり幕に反応してしまった人がパラパラといて少々残念ではありましたが、2幕、3幕終了時には全くなし。周囲の人が注意をしたかもしれませんが、おそらくはあまりにパラパラとした少ないフライング拍手だったので自分自身で気づいたのでしょう。

 カーテンコールではイタリア人グループが舞台近くに押し寄せてました。スーツ姿でバッチリ決めたオヤジになる前のイケ面風集団でネトレプコファンかと思いきや、ティーレマンやその他の出演者にも同様に賞賛を送って大盛り上がり。イタリア人のワグネリアンだっていて当然です。隣に座っていたドイツ人の人はムーティ先生のファンとのこと。それも全く自然なことです。

 ネトレプコがバイロイトでエルザを歌うかもしれなような話もありますが、バイロイトでは聴く気はしません。他でも書きましたが、バイロイトはワーグナー歌いを目指した人達が実績を重ねて、ようやくたどり着くところであり続けてほしいからです。もちろん今後も歌いたければ歌い続けても良いとは思うのですが、どうしてもとまでは思いません。今のネトレプコで聴くのが一番という役は他にあって、エルザは他にも合う人がいるのですから、自然体で今の良さを発揮できる役に取り組んでもらうのが何よりです。

 尚、神々しき本物のローエングリンはこのとき、日本にいたのでした。それを鑑みると、ネトレプコのエルザを聴いたよ・・・と自慢できるかは?何故なら2人の歌い方が気になって物語としての感動があったかというと・・・・微妙・・・としか言えず。本物のローエングリンは何回も聴いているから新国はパス・・・そんな憎まれ口をたたいても、ただの負け惜しみのような気もするのです。
 いやいや、なんだかんだ言っても満足に決まってますって!
 


ジュリエッタ・・・STAATSOPER IM SCHILLER THEATER・・・2016/5/28 [オペラ]

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Lyrische Oper in drei Akten von Bohuslav Martinů

MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG Claus Guth

JULIETTE Magdalena Kožená
MICHEL Rolando Villazón
KOMMISSAR | (BRIEFTRÄGER) | (WALDHÜTER) | BEAMTER Richard Croft
KLEINER ARABER | 3. HERR | JUNGER MATROSE Thomas Lichtenecker
ALTER ARABER | ALTVATER JUGEND | ALTER MATROSE Wolfgang Schöne
VOGELVERKÄUFERIN | 1. HERR | HANDLESERIN Elsa Dreisig
FISCHVERKÄUFERIN | ALTE DAME | ALTE FRAU Adriane Queiroz
MANN MIT HELM | VERKÄUFER VON ERINNERUNGEN |BETTLER Arttu Kataja
MANN AM FENSTER | ALTER MANN | STRÄFLING | NACHTWÄCHTER Jan Martiník
2. HERR Natalia Skrycka
LOKOMOTIVFÜHRER Florian Hoffmann

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 マルティヌーのオペラはいつか聴きたいと思っていて、フランクフルトで一度聴こうと計画はしたのですが、日本から到着する日で飛行機が遅れたため、諦めたことがあったのでした。

 フランス語の洒落た響き、ウィット溢れる冗談、哀愁を帯びるアコーデシオンやハモニカの音色。コメディのような明るさもありながら、常にもの悲しさと緊張感に満ちた音楽です。異郷で成功し、何不自由ないようであっても時代に翻弄され故郷に帰れない寂しさを抱えた作曲家の心模様が何とも言えない美しさとなって現れた作品でした。

 ジュリエッタというタイトルですが、主人公はミシェルという一人の男です。
全てはミシェルの想像ですが、ミシェルは作曲家自身であり、ジュリエッタは帰りたくても帰れない愛おしい故郷のようでした。

 なんといってもミシェル役のヴィリャゾンの渾身のパフォーマンスは感動的。名役者であり、名歌手であります。声が枯れそうになるときもありましたが、だからこそ伝わるものがありました。
 ジュリエッタ役のコジュナーもバーデンバーデンでで聴いたときとは別人。声にまろやかや艶があり、豊かな魅力に溢れて正に憧れのマドンナでした。
 脇の歌手の人達もそれぞれ好演でしたが、Elsa Dreisigがチョイ役でも光っていて、カーテンコールでも賞賛されていたので地元で人気の若手アンサンブルなのだろうと思っていたら、この公演の後、7月にNYで行われたオペラリアで最優秀賞を受賞とのこと。今後あちこちの劇場で活躍することでしょう。

 グートの演出は閉塞感とジレンマをシンプルながらも美しく表現していて、作品のイメージ通り。

 カーテンコールでは出演歌手と指揮のバレンボイムはもちろんのこと、グートをはじめとする演出チームにも賞賛が溢れ、スタンディングとなったのでした。

 もっと上演してほしい作品であり、他のマルティヌー作品も鑑賞したくなるものでした。


ディドとエネアス・・・Hessischen Staatstheater・・・2016/5/27 [オペラ]

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Henry Purcell

Konzept, Musikalische Leitung & Inszenierung Thomas Hengelbrock

Dido Kate Lindsey
Aeneas Benedict Nelson
Belinda Katja Stuber
Schauspiel / Sorceress Johanna Wokalek
Second Woman Agnes Kovacs
First Witch Anne Bierwith
Second Witch / Spirit Marion Eckstein
First Sailor Hermann Oswald
Balthasar-Neumann-Chor & -Solisten | Balthasar-Neumann-Ensemble
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 劇場に向かうために準備を始めたころ、天候が激変。すごく良かった天候が雷を伴う豪雨となってしまいました。それでも雷は遠そうだったので傘をさして向かったものの、道路を渡るのも道の端が川のように水が流れていて、それがとても一跨ぎできる幅ではなく、結局靴の中まで水浸しになるという有様。
 これでは劇場の準備にも影響しているのではないかと思っていたところ、観客は集まっているものの、中々観客席の扉を開けてくれず・・・・5分前になってようやく観客席に入れてもらえたのですが、舞台上では清掃スタッフのような人たちが床を拭いている状態。これは最近よくある開演前から舞台上で演技が始まっているパターンかと一瞬思ったものの、以前見たことのある舞台写真とは随分イメージが異なるのでやはり準備の遅れだろうと思い直したのでした。

 舞台セットは大きな石がいくつか置かれただけのシンプルなもの。演奏が始まる前にヒューヒューという風の音がかすかに流れ、外の嵐の音が聞こえるのかと一瞬戸惑ってしまいました。
 演奏が始まり、冒頭に登場する魔女役の人は歌手ではなく女優。パーセルの時代のイギリスではオペラというより劇付随音楽が主流だったそうで、正にその雰囲気を味わいながらの序曲。魔女のドイツ語の語りを聞いていると、外の急激な天候の変化も彼女がこの劇場に来たからに違いない・・・とさえ思えてしまったのでした。
 オペラは英語ですが、字幕はなし。
 ディド役のリンゼーのふくよかな重い声は高貴でありながら哀愁を含み、エネアス役のネルソンは精悍でありながら優しさも漂う。
 演出も指揮者であるヘンゲルブロックですが、衣装やその他大勢の動きが曲調に合っていて、美しい悲劇を堪能させてもらいました。

 このプロダクションは昨年のザルツブルクでやったものですが、フェルゼンライトシューレの舞台に合って良い趣だったことでしょう。


リア・・・Palais Garnier・・・2016/5/26 [雑感]

Music Aribert Reimann

Conductor Fabio Luisi
Director Calixto Bieito

König Lear Bo Skovhus
König von Frankreich Gidon Saks
Herzog von Albany Andreas Scheibner
Herzog von Cornwall Michael Colvin
Graf von Kent Kor-Jan Dusseljee
Graf von Gloster Lauri Vasar
Edgar Andrew Watts
Edmund Andreas Conrad
Goneril Ricarda Merbeth
Regan Erika Sunnegardh
Cordelia Annette Dasch
Narr Ernst Alisch
Bedienter Nicolas Marie
Ritter Lucas Prisor

 初めての公演キャンセル!

 ドレスデンのローエングリンのチケットが買えてしまったので、その前後の公演を調べたところ、結構興味深い公演が各地で目白押し。この日はスカラにするかパリにするか迷ったのですが、50ユーロセールがあったので思わずパリに決定!
 ところがところが・・とんだ糠喜びに終わってしまいました。それでも前日のパリ管が良かったのと、他にも用があったので、たまには休む日があっても良し、と納得。

 スコウフスののリア聴きたかったなー・・・・無念。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団・カヴァコス・・・Grande salle - Philharmonie・・・2016/5/25 [コンサート・リサイタル]

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Orchestre de Paris
Paavo Järvi, direction
Leonidas Kavakos, violon

Richard Dubugnon
Caprice pour orchestre II (commande de l'Orchestre de Paris, création mondiale)
Béla Bartók
Concerto pour violon n° 2
Entracte
Dmitri Chostakovitch
Symphonie n° 6

 初めてのパリフィルハーモニー。

 始まりは世界初演の曲。最初は難しくてとっつきにくい曲かと思いきや、変化に富んだ面白さ。

 バルトゥークではカヴァコスの技術を満喫。

 なんといっても面白かったのは休憩後のタコ。パリ菅が上手いのは承知の上。弦はキレキレで絶妙、管は生き生きとした音をだすし、打楽器はインパクト抜群。それぞれの音が混濁することなく絡み合い、その一体感がもたらすエネルギーは圧倒的。これは演奏していてもさぞかし楽しかろうというノリの良さ。

 パーヴォ・ヤルヴィ&パリ菅は熱くて最高!でした。

オルランド・・・Opernhaus Zürich・・・2016/5/24 [オペラ]

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Oper von Georg Friedrich Händel

Musikalische Leitung William Christie
Inszenierung Jens-Daniel Herzog

Orlando Bejun Mehta
Angelica Julie Fuchs
Medoro Delphine Galou
Dorinda Deanna Breiwick
Zoroastro Scott Conner

Statistenverein am Opernhaus Zürich
Orchestra La Scintilla
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 演出は大戦後、戦争の英雄として帰還したオルランドが精神的な病をかかえ、精神病院に入るという設定で、ゾロアストロは精神病院の医者、ドリンダは看護婦というコメディ仕立ての雰囲気でした。演出が多少不自然でも、歌手陣の歌と演技で面白いものにしてしまう充実感は遠征しなければ味わえないものです。
 なんといってもメータの狂乱での技巧は聴きごたえ十分。病院の警備室から斧を奪って暴れるというのはありえない設定ながら面白い・・・いや、ありえないからこそ面白いのかな?
 アンジェリカ役のフックスは歌唱技術もさることながら、高音でも声質が変わらず、きれいな発声なのが魅力。
 ドリンダ役のブライヴィックが技巧を駆使した歌の最中でもコミカルな演技を自然にこなして舞台センスの良さを発揮。
 メドーロ役ガロウが本当にいそうな優男風、大柄なコナーズのゾロアストロが堂々と全ては手の内といった雰囲気が良し。

 到着日で少々ウトっとしてしまったのがもったいなかった公演でした。