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神々の黄昏・・・STAATSOPER IM SCHILLER THEATER ・・・2016/6/19 [オペラ]

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MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG Guy Cassiers

SIEGFRIED Andreas Schager
GUNTHER Boaz Daniel
ALBERICH Jochen Schmeckenbecher
HAGEN Falk Struckmann
BRÜNNHILDE Iréne Theorin
GUTRUNE Ann Petersen
WALTRAUTE Ekaterina Gubanova
ERSTE NORN Anna Lapkovskaja
ZWEITE NORN Ekaterina Gubanova
DRITTE NORN Ann Petersen
WOGLINDE Evelin Novak
WELLGUNDE Anna Danik
FLOSSHILDE Anna Lapkovskaja
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 観にきて良かったと思える内容でありましたが、これだけのものを鑑賞すると他の公演が全てかすんでしまうので、いろいろ観るのも空しいかとも思えてしまったのでした。

 オケピはジークフリートと同様、上部が舞台側に湾曲した囲いあり。そして歌手はこの日も素晴らしいことこの上なし。結局のところ、バレンボイム先生の創りだすワーグナーの世界というのは演奏と歌手に一体感をもたらし、歌手を自然と活き活きと素晴らしく輝かせる結果になっているのだと再認識したのでした。

 テンポは1幕は遅めで2時間弱、2幕、3幕は中庸からやや早めといったところ。
 冒頭からして3人のノルンにグバノヴァとペテルセンを起用しての語りは圧巻。第2のノルンとワルトラウテは以前はマイヤーさまが歌っていたはず。マイヤーさまを引き継いだのはチーム・バレンボイムの一員であるグバノヴァ。ワルトラウテとしても清楚で真摯にブリュンヒルデに懇願するさまには、出番が終了した2幕後のカーテンコールでは観客からの賞賛の嵐。観客の反応にグバノヴァが驚き喜んでいる姿が印象的でしたが、いつもマイヤーさまが歌っていた役ということでプレッシャーはあったのかもしれません。
 ハーゲン役のシュトルックマンも遅めのテンポだからこそ生まれる言葉の力たるや物語のキーパーソンに相応しい凄みで圧倒的。
 ギュンター役のダニエルはウィーンを中心に活躍している人で以前イタリアもので聴いたことがありますが、ワーグナーで聴くのはお初です。体格がボリュームアップしたのはワーグナーを歌うようになったからでしょうか?おそらくバレンボイムの指揮で歌うのは初めてかと思うのですが、最初少々緊張ぎみに思えたのも真面目な性格のギュンターといった役作りで、イタリアものよりワーグナーのほうが合っていると思えた歌いっぷり。
 ペテルセンはエルダを歌った人とは同じ人とは思えない変身ぶりで、普通の純朴な女性というより少女に近い雰囲気で好演。
 シャーガーも『ジークフリート』のときのような天然ジークフリートではなく、物語どおり、記憶を失った別人のときもあり。
 テオリンの艶のある豊穣な歌声は終末を告げるのに相応しい風格といったものを感じるものでありました。

 スカラで『ラインの黄金』『ワルキューレ』を観たときのことを思い出せば、2作ではまちがいなく愛が存在してました。しかし、この演出が最後に伝えたのは『神々の黄昏』=『人間の黄昏』とならぬように・・・という警告。
 富と権力への欲望がもたらすものは破滅でしかないとでも示すように、降りてきた幕は津波に流される人々のようにも原爆投下後の地上にも見えたのでした。

 伝えていることの重さと終わってしまったという喪失感とが重なり、演奏が終了してもしばらく拍手は起こりませんでした。10秒くらい経ってから隣に座っていたおじさんがパチッと手をたたきました。しかし、それでも他の人からの拍手は続かず、おじさんは手を合わせたままフリーズ・・・・一呼吸おいて、一気に万来の拍手がわき起こったのでした。

 演出はほとんどコンサート形式といってもよいほど簡素なもので、セットなどは人間の手足のゼリー寄せのような階段とただの箱をいくつか寄せたもの。それでも終末へと向かう不穏な雰囲気があるだけで充分なのかもしれないと思えた公演でした。

 『ジークフリート』では時差がとれず、映像のチラツキにボーッとしてしまい、不覚にも温泉卵になってしまった[猫]でありましたが、時差に悩まされることなく無事に[猫]のワーグナー漬け神々の黄昏風味に仕上がったのでした。


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