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ニュルンベルクのマイスタージンガー・・・STAATSOPER IM SCHILLER THEATER・・2015/10/11 [オペラ]

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MUSIKALISCHE LEITUNG Daniel Barenboim
INSZENIERUNG Andrea Moses

HANS SACHS Wolfgang Koch
VEIT POGNER Kwangchul Youn
KUNZ VOGELGESANG Graham Clark
KONRAD NACHTIGALL Gyula Orendt
SIXTUS BECKMESSER Markus Werba
FRITZ KOTHNER Jürgen Linn
BALTHASAR ZORN Siegfried Jerusalem
ULRICH EISSLINGER Reiner Goldberg
AUGUSTIN MOSER Paul O’Neill
HERMANN ORTEL Arttu Kataja
HANS SCHWARZ Franz Mazura
HANS FOLTZ Olaf Bär
EVA Julia Kleiter
WALTHER VON STOLZING Klaus Florian Vogt
MAGDALENE Anna Lapkovskaja
DAVID Stephan Rügamer
EIN NACHTWÄCHTER Jan Martin
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 日常の感動に比べたらお金を払って得る感動などたかがしれてる。以前そう書いたことがあります。そう言っちゃーおしまいだろうが!ではありますが、音楽を日常の生業としてない身なのですから、次元が違うのは当然のことです。

 しかし、この公演はドイツ人にとって日常の感動ではないかと思えるものでした。もちろん[猫]はドイツ人ではないので、あくまで想像ではあるのですが、作品と共に生きるとはどういうことかを実感したような公演でした。今までもバイエルンのリングのように’みんなで創ろう’といったコンセプトに作品と共に生きるという意味を感じとることはありましたが、今回はさらに深く、作品と共に生きることを体感したと言っても過言ではありません。それは作品の中で生きているような臨場感とダイナミズムに溢れたものでした。

 演出は観客の出入り口両側最前方を登場人物の出入り口としても利用することによって、狭い舞台を広く、なおかつ観客との一体感を創りだすことに成功してました。時代は現代ですが、徒弟役が全員ビートルズのようなマッシュルームカットだったのが、なんとなく60年代を思い出すものでもありました。

 演奏のテンポは速め、それが歌手の歌に普段の活気とでもいう躍動感をもたらし、歌手の人達は全員素のままの良さが光っていた印象でした。

 ただベックメッサーだけが中世の衣装を着たり、歌い方も一本調子で歌うことが多く、少々違和感のある役作りだったのですが、話としてベックメッサーだけが違うというのは分かりやすいし、ヴェルパが一本調子ぎみで歌うのが実に良い声で高慢な印象なので、これがヴェルパの良さが出る役作りなのだろうと納得できるものでした。途中で観客席の後方の入り口から入ったり出たりと迷った様子でウロウロしてると側のおじさんが「あっちだよ」と指を指して教えてあげていたのですが、おじさんの様子が凄く迷惑そうだったのには笑ってしまいました。以前ザルツの『魔笛』に出演していたヴェルパですが、今回ワーグナー歌いの間に入ると小柄に見えて、ワーグナー歌いの人達に大柄な人が多いことを改めて実感してしまいました。

 同じくザルツの『魔笛』に出演していたクライター。その時は演出のせいか、きれいに歌っているけどこじんまりとした印象でした。やはり演出によって歌手の印象は変わるものです。今回のエファは現代的な女性で、自然な演技とともに歌もすごく生き生きとした印象で素敵でした。

 速かった演奏のテンポは3幕に入るとぐっと遅くなり、それまで普通のおじさんだったザックスの懐の深さがクローズアップ。コッホはいつも上手ですが、少々硬い真面目すぎる印象を持つことがしばしば。しかし、そういった面こそザックスらしさに重なり、やはり素のままの良さが滲み出ているかのようでした。

 ヴァルターもその辺のお兄さんといった雰囲気。春祭のコンサート形式の歌合戦では凄い緊張感だったのですが、この演出では堂々たる歌いっぷり。やることはやったという一種の爽快感のようなものがあって、ローエングリンじゃないんだからそんなに見事に歌い上げなくても良いヨと思ってしまったほど。ただ絶好調とまではいかなかったのか?一瞬荒れた声が聞こえたのがかえって普通の青年で良かったと思えた歌いっぷりでした。

 マイスタージンガーの称号なんて不要と拒否した後の展開は通常と異なり、古い拘りにしばられることなく新しい世界を築いていこう、という内容になってました。公演途中頻繁に出てきたドイツ国旗よりも最後の場面の青い空のほうが印象に残り、国境を越えてみんなで未来を築いていこうといったことまで伝えているように見えた演出でした。

 忘れてならないのが本物のマイスタージンガー達で、これほど劇的信憑性の高い公演はないというほど。そのお姿を拝めただけでも感慨深いものでしたが、クラークなどは今でも現役でいけるのではないかというお声を発してビックリ!
 称号なんていらない!という展開に怒ったマツーラの杖の一喝!!にも観客はビックリ!本当に怒っていたと思うのです。

 『マイスタージンガー』という作品はリンデンの歴史にとってマイルストーン的な作品で、修復後のオープニング公演に必ず上演される公演です。この演出もリンデン再開に向けて準備されたと思うのですが、遅れに遅れている修復完成を長々と待つわけにもいかず、東西ドイツ統一25周年に上演の運びとなったのでしょう。分断から統一へという記念に相応しい演出思えました。

 リンデン再開時も今までの慣習に従って、この『マイスタージンガー』を再演するのかは不明ですが、再演してほしいものです。
 マイスタージンガーの方々にはいつまでもお元気でいていただいて再演時にもぜひご出演願いたいものです。

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