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ラインの黄金・・・JAHRHUNDERTHALLE BOCHUM・・2015/9/16 [オペラ]

Musikalische Leitung Teodor Currentzis
Regie Johan Simons

Wotan - Mika Kares (Bass)
Donner - Andrew Foster Williams (Bariton)
Froh - Rolf Romei (Tenor)
Loge - Peter Bronder (Tenor)
Alberich - Leigh Melrose (Bariton)
Mime - Elmar Gilbertsson (Tenor)
Fasolt - Frank van Hove (Bass)
Fafner - Peter Lobert (Bass)
Fricka - Maria Riccarda Wesseling (Mezzosopran)
Freia - Agneta Eichenholz (Sopran)
Erda - Jane Henschel (Alt)
Woglinde - Anna Patalong (Sopran)
Wellgunde - Dorottya Láng (Mezzosopran)
Floßhilde - Jurgita Adamonytė (Mezzosopran)
Sintolt, der Hegeling, Diener - Stefan Hunstein (Darsteller)
MusicAeterna
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 9月の旅行で一番の目的だった公演。冒頭NGでしたが、スケールの大きなワーグナーの世界に引き込まれ、非常に満足感の高い公演となりました。

 ルール・トリエンナーレの公演です。会場のヤールフンデルトハレはだだっ広い倉庫のようなところです。会場内部天井の全体の4分の1くらいの場所に縦に大きな梁があり、その梁をさけて全体の4分の3ほどのスペースに舞台と客席を設置してあるので、全体の4分の1くらいの空間は何もない状態でした。

 公演の時間が18時半から21時半、休憩なしと書いてあって・・・???どんだけゆっくり演奏したって3時間はなかろう・・・・何かやらかすということネ・・・と、楽しみでもあり、休憩なしの3時間は辛いと少々不安あり・・・でしたが、長さを感じることなく楽しめた公演となりました。

 舞台は3層に分かれ、下層にライン河、中層にオケのステージ、上層はヴォータン邸といったセット。3人の女性が本当に水がはってあるライン河に横たわっていると思ったら、これは人形でした。

 席についてしばらくして気になったのはブーという低いベース音のような音がずっと響いていること。これで何がNGだったかワーグナー好きだったらすぐにピンとくるはず。音響設備の音なのか?以前ムジカエテルナのコーラスをエクスで聴いたとき、入場時に低い音(コーラスの低い声のようにも聞こえた)が流れていたのを思い出し、ムジカエテルナの入場のときにはいつも低い音を流すのだろうか?などとも考えてしまいました。
 時間の18時半になっても舞台上には誰も現れず、客席はざわついたまま・・・・45分くらいになってようやくクレンツィスを筆頭にオケ入場。低いベース音は消えることのないまま始まりました。
 当然最初の音が~~~~~~~~(vv。。。コントラバスによるゾクゾク感なし。その上、ムジカエテルナの音がどちらかというとヘナチョコ系で冒頭は結構ムッとしてました。しかし、演奏に溜めというか踏ん張りといったものがあり、金管も粘りがあるので重さと迫力を感じることができ、巨人族もハグリットのサイズは間違いなくあると思えたのでした。(ハグリットサイズは[猫]の拘り)
 クレンツィスの指揮ぶりは時に凄い踏み込みで、卓球のスマッシュか?というほどの体育会系。舞台上で振っているため、バン!と踏み込む音が演奏に混ざって聞こえたときもあったのですが、それも気にならない程度の回数で、むしろ迫力を増すものとなってました。
 また、面白いのはここぞというとき、頑張ります!とばかりに座って演奏していた奏者が立って演奏すること。この辺は立ちたければ立てば、というだけのことであってどうでもよい話ではありますが、ムジカエテルナは立奏が基本のようなので拘りがあるのかもしれません。

 アンビルが鳴り響き、ニーベルハイムにヴォータンとローゲが降りていく場面。オケのメンバーが何人も指揮のクレンツィスから金槌を受け取り散らばっていき、あちこちでやたらくたらとアンビルが鳴り続ける状態となり、黙役だったヴォータンの召使いが「世の中いつも戦争している!」とか語りだした!!これがあって3時間だったわけ。召使いが語っている間、クレンツィスや一部のオケのメンバーは舞台からいなくなって休憩だったもよう。
 語っていたのは現代社会、資本主義社会がかかえる矛盾と問題に対する不満と批判のようでした。この趣向は決して流れを阻害するほどでもなく、気になることはありませんでしたが、この語りがなくても、演出で同様の内容は見て取れるものでした。

 ヴォータンは立派な身なりのお金持ち、アルベリヒとミーメは煤だらけの炭鉱労働者。
 アルベリヒがラインの乙女たちから指輪を奪う場面、乙女たちはまるでコンサート形式のように中段に位置するオケの前で歌い、アルベリヒは下段のライン河に横たわる人形を相手にくんづほぐれつ。それはまるでアルベリヒの想像のようで、ラインの乙女たちから指輪を奪ったというより、指輪を発見したかのような印象を与えるものでした。アルベリヒから指輪を奪うのも、ヴォータンとローゲは騙して奪い取るのですから、なんでも自分の思いどおりにしてしまう金持ちなわけです。アルベリヒが気の毒でかわいそうに思えた演出は初めてでした。
 ヴォータンの役柄は自分の地位を維持することに疲れきっているようであり、指輪の魔力に負けてしまう自分自身への嫌悪感や将来への不安を見せます。エルダは母親のようで、エルダに甘えるように寄り添うヴォータンの姿はその現れでした。

 歌手陣はベテランと若手を適材適所に配したという印象。

 アルベリヒ役のメルローズはライン河畔で水浸しになりながらの熱演。
 エルダ役のベテラン、ヘンシェルは朗々とおおらかな懐の深さを感じる歌唱。
 ヴォータン役のカレスは堂々たる体格ながら、弱さを垣間見せる役柄を好演。

 クレンツィスの演奏のテンポは中庸といったところでしたが、アルベリヒの恨み節、エルダの説得、ヴァルハラ入場前のヴォータンなど、ここぞというところをゆっくりめにしっかりと歌わせていて、カーテンコールでもこの3人が特に賞賛されてました。

 他のキャストも盤石。
 ローゲ役のブロンダーはミーメ役で活躍することの多いキャラクターテノールで、確かに声はミーメが合いそうではあるのですが、パっと見、坂上二郎さんはドイツで生きていたという噂が立ちそうな白髪の小柄な姿は老練な知恵者そのもので、この人には敵うわけないと思わせるものでした。
 ファフナー役のロベルトは歌も姿も正に巨人。
 ファーゾルト役のファン・ホーヴは遠目で見ていてもフライアを思う気持ちの切なさが歌にも演技にも現れていたのでした。

 3層に造られた舞台だけでなく、壁面上部にある回廊や客席通路で歌手が歌うこともあったのですが、どこで歌っても歌手の声がよく通り、普通の歌劇場では味わえないスケール感のある充実した公演でした。

 途中バラバラと雨の落ちるような音が鳴り、PAで効果音でも流しているのかと思いきや、天井や壁は一部透明なので、外の大雨の音だと分かりました。雷鳴の閃光が見え、音も聞こえましたが、不穏な自然現象の音は雰囲気を盛り上げる効果を果たしてました。

 カーテンコールも大盛り上がり。続きの『ワルキューレ』があるものと楽しみにしていたのですが2016年はなし。いつでも良いから、絶対に続きを観たい聴きたい!と思うのですが、全く独立したプロダクションなのかもしれません。


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